ITストラテジストの過去問を解説!令和4年度(2022年度)春期 午前2(問21)

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令和4年度ITストラテジスト試験の過去問解説連載です。
この記事では午前2 第21問を解説します。

問21:会計処理に関する問題

固定資産について回収可能価額と帳簿価額とを比較し、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合、その差額を損失として認識し、当該資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額する手法はどれか。

ア 減損会計
イ 税効果会計
ウ ヘッジ会計
エ リース会計



解説

回収可能価額とは、資産を活用して将来得られると期待している収益の額のことです。

帳簿価額とは、会計帳簿に記載されている資産の価格のことです。簿価ともよばれます。
固定資産の場合は、取得した価格を帳簿価額とすることが多いようです。

ア 減損会計

減損会計(減損処理)とは、固定資産から得られる収益が低下して投資額を回収できなくなることがわかったときに、そのことを財務諸表に反映する会計処理です。具体的には、ある資産の回収可能価額が帳簿価額を下回ったとき、投資回収ができないと判断して減損処理することが一般的です。

イ 税効果会計

税効果会計とは、企業会計と税務会計の間に発生した差分を適切に調整する会計処理です。

企業会計企業の収支・損益、経営状態を表現することを目的にした会計です。一方税務会計課税を目的にした会計です。そのため同じ出費でも、企業会計では費用(経費)として計上したものが損金(赤字)として認められないこともあり得ます。

ウ ヘッジ会計

ヘッジ会計とは、リスクを回避(ヘッジ)ためにおこなう取引において、その効果を会計に反映させる処理です。

企業は経済活動をする以上、為替や金利などの変動リスクにされされます。そのリスクをヘッジする手段のひとつにデリバティブがあります。
デリバティブはある一定の時期(原則毎期末)に時価で評価されますが、リスクヘッジの対象は必ずしも同じとは限りません。ヘッジ対象とそれをカバーするデリバティブの両者から発生する損益を同一期間内に会計に反映することで、プラスマイナスを相殺することができます。

エ リース会計

リース会計とは、リース取引で発生した効果実態を適切に会計に反映するため、リース会計基準に沿った会計処理方法のことです。

正解は ア (減損会計) です。

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