ITストラテジストの過去問を解説!令和4年度(2022年度)春期 午前2(問12)

ソフトウェア技術
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令和4年度ITストラテジスト試験の過去問解説連載です。
この記事では午前2 第12問を解説します。

問12:ビジネスモデルに関する問題

マルチサイドプラットフォームのビジネスモデルの説明はどれか。

ア 顧客価値を創造するために、複数の異なる種類の顧客セグメントをつなぎ合わせ、顧客セグメント間の交流を促進する仕組みを提供するモデルである。
イ 顧客との良好な関係を築き収益拡大を図るために、顧客データベースの構築を前提として、顧客との様々な局面でのコミュニケーションを支援するモデルである。
ウ 製造業において、事業の多角化を図るために、現在の製品の川上となる部品の製造と、川下となる販売事業に同時に進出するモデルである。
エ 複数の異なる仕様の機種やOSで同じように動作するソフトウェアやサービスを提供することによって利用者を増やし、事業拡大を図るモデルである。



解説:マルチサイドプラットフォーム

マルチサイドプラットフォームとは、複数の異なる顧客層をつなぎ合わせるプラットフォームのことです。

このプラットフォーム上で顧客層どうしの交流を生み出し促進することで、新たな価値を作ることをめざします。検索エンジンはユーザーと情報発信をする個人や団体を結びつけ、ECサイトは購買者と店舗を結びつけています。

ア 

異なる顧客セグメントをつなぎ合わせ、交流を促進し、価値を創造することとあるので、マルチサイドプラットフォームのビジネスモデルです。

イ 

顧客との良好な関係構築やコミュニケーションを支援するモデルは、CRM(Customer Relation Management)です。

ウ 

製品の部品製造と、完成品の販売事業を同時に手掛けるのは垂直型多角化です。

製造業においては、ものごとのはじめから最後まですべて手掛けることを「垂直」と表現することがよくあります(例:垂直統合)。製品販売だと、素材生産、部品の製造、完成品の製造、販売、さらにアフターサービスも含むことがあります。
また工程の一部を切り出したり、ある一部分に特化することを「水平」と表現することがあります(例:水平分業)。例えば自動車メーカーは完成品の製造に集中し、部品は他社から仕入れ、販売はディーラーに任せるケースが多いです。

エ 

OSや機種、環境等(プラットフォーム)が異なっても同じように動作する仕組みは、クロスプラットフォームです。マルチプラットフォームと呼ぶこともあります。

例えばiOSでもAndroidでも動くスマホアプリを提供し、利用者をより多く獲得する戦略が考えられます。

正解は ア です

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