令和3年度ITストラテジスト試験の過去問解説連載です。
この記事では午前2 第2問を解説します。
問2：評価指標に関する問題
情報システムの導入と活用によって生み出されるキャッシュフローの現在価値を計算することによって、投資効果を評価したい。 このときに使われる指標はどれか。
イ EVA
ウ NPV
エ ROI
解説
それぞれの指標の解説は次の通りです。
ア BSC
ア：BSCとはバランス・スコアカードのことで、企業のビジョンとそれを達成するための戦略を考えるときに用いられるフレームワークです。経営マネジメントシステムと表現されることもあります。
何かの評価指標ではありません。
イ EVA
イ：EVA(Economic Value Added)とは経済的付加価値と訳される収益性を評価する指標です。この値が正のとき、投資家が期待する収益を上回る価値を出していると言えます。
具体的には、資本コスト以上の税引後営業利益を出せているかどうかを評価します。計算式で表現すると次のとおりです。
EVA = 税引後営業利益(NOPAT) – 投下資本 × 資本コスト
= 税引後営業利益 – 資本コスト額
ウ NPV
ウ：NPV(Net Present Value)とは正味現在価値と訳される投資対効果を評価する指標です。将来得られる利益等を現在の価値で評価します。投資によって得られる利益が大きいほどこの値も大きくなります。具体的な値を求める方法は過去問として出題されているので、チェックしてください。
エ ROI
エ：ROI(Return On Investment)とは投資収益率や投資利益率と訳され、費用対効果を評価する指標です。投資(支出)を伴う活動でどのくらいの利益を出せるのかを評価するときに有効とされます。
この設問では「現在価値を計算することによって、投資効果を評価したい」とあるので、「ウ NPV」が正解となります。
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