令和3年度ITストラテジスト試験の過去問解説連載です。
この記事では午前2 第1問を解説します。
問1:DXに関する問題
経済産業省が提案した”「DX推進指標」とそのガイダンス”におけるDX推進指標の説明はどれか。
ア ITベンダが、情報システムを開発する際のプロジェクト管理能力、エンジニアリング能力を高めていくために、現状のプロセスを5段階に分けて評価し、不十分な部分を改善することを目指すもの
イ 経営者や社内関係者が、データとデジタル技術を活用して顧客視点で新たな価値を創出していくために、現状とあるべき姿に向けた課題・対応に関する認識を共有し、必要なアクションをとるための気付きの機会を提供することを目指すもの
ウ 社内IT部門が、不正侵入やハッキングなどのサイバー攻撃から自社のデータを守るために、安全なデータの保管場所、保管方法、廃棄方法を具体的に選定するための指針を提供することを目指すもの
エ 内部監査人が、企業などの内部統制の仕組みのうち、ITを用いた業務に関して、情報システムの開発・運用・保守に係るリスクを評価した上で、内部統制システムを整備することを目指すもの
イ 経営者や社内関係者が、データとデジタル技術を活用して顧客視点で新たな価値を創出していくために、現状とあるべき姿に向けた課題・対応に関する認識を共有し、必要なアクションをとるための気付きの機会を提供することを目指すもの
ウ 社内IT部門が、不正侵入やハッキングなどのサイバー攻撃から自社のデータを守るために、安全なデータの保管場所、保管方法、廃棄方法を具体的に選定するための指針を提供することを目指すもの
エ 内部監査人が、企業などの内部統制の仕組みのうち、ITを用いた業務に関して、情報システムの開発・運用・保守に係るリスクを評価した上で、内部統制システムを整備することを目指すもの
解説
DXとは、デジタル技術を活用して新しいサービスや価値を顧客に提供してゆく活動のことを主にさします。なので技術者だけで取り組むものではなく、非技術者やビジネス部門、経営層も一体となって取り組むことが必要です。
ア
ア:主語が「ITベンダ」で、プロセスを5段階に分けて能力向上を目的とした手法であることがわかります。これは能力成熟度モデル統合(CMMI;Capability Maturity Model Integration)の解説です。
イ
イ:主語が「経営者」「社内関係者」で、デジタル技術を活用して価値を創出することを意図しています。これがDX推進指標の説明です。
ウ
ウ:主語が「社内IT部門」で、サイバー攻撃からの防御が目的となっています。このような指針は情報セキュリティポリシーです。
エ
エ:主語が「内部監査人」で、内部統制システムの整備を目的としていますので、直接的にDXとは関係ありません。
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