はじめに
2015年度(平成27年度)の過去問を説いて勉強するエントリ第6弾、最終回です。
過去の関連エントリはこちら。
問1~問3
問4~問7
問8~問12
問13~問17
問18~問21
今日の問題
出典:平成27年度 秋期 ITストラテジスト試験(ST) 午前2 問22〜問25
IPAの過去問ページで原本を参照できます。
問22:連結子会社の基準に関する問題
我が国における、連結の対象となる子会社の範囲を決定する基準はどれか。
イ 影響力基準
ウ 支配力基準
エ 持株基準
解説
ア:営業循環基準とは、営業過程にある資産や負債は流動資産や流動負債とするルールのことです。会社同士の関係を表すものではありません。
イ:影響力基準とは、関連会社の範囲を決めるときの基準です。
会社の実質的な支配状態を考慮する考え方です。次のいずれかに当てはまるとき、その会社は自社の関連会社といえます。
- 自社の議決権が20%以上
- 自社の議決権が15%以上20%未満のとき、次の2要件を満たす
・代表取締役や取締役に相当するポジションに自社の役員が就いている
・重要な融資、技術提供、販売などの営業や事業上の取引がある - 自社の議決権が15%未満のとき、次の2要件を満たす
・自社と同一の意思決定(議決権行使)ができる者と合わせて20%以上の議決権をもつ
・「自社の議決権が15%以上20%未満のとき」の要件を満たす
ウ:支配力基準とは、連結子会社の範囲を決めるときの基準です。
経済的な支配状況を考慮する考え方です。次のいずれかに当てはまるとき、その会社は自社の子会社といえます。
- 自社の議決権が50%を超える
- 自社の議決権が40%以上50%以下のとき、次の(1)もしくは(2)を満たす
(1) 自社と同一の意思決定(議決権行使)ができる者と合わせて50%以上の議決権を持つ
(2) 次の(a)~(c)のうちいずれかを満たす
・(a) 取締役会等の構成員のうち50%を超える人が自社の意思で行動する
・(b) 重要な意思決定を自社がおこなうことを契約等で支配している
・(c) 調達した資金総額のうち、50%を超える金額を自社から調達している - 自社の議決権が40%未満のとき、「自社の議決権が40%以上50%以下のとき」の要件(1)(2)を両方満たす
エ:持株基準とは、子会社の範囲を決めるときの基準です。
直接の議決権を過半数以上有しているかどうかで判断します。
問23:電子帳簿に関する問題
国税関係帳簿を磁気媒体で保存する場合、法律で規定されているものはどれか。
イ 定められた性能の媒体を用いなければならない。
ウ 電子取引に関する記録に限って許可される。
エ バックアップとして紙又はマイクロフィルムでの保存が義務付けられている。
解説
選択肢アの通り、あらかじめ電子保存する帳簿を選択して税務署長に届け出て承認を得る必要があります。
イ:記憶媒体は、検索できる仕組みや機能を備えている必要がありますが、性能に制限はありません。ただしスキャナには性能(解像度)に定めがあるので注意です。
ウ:電子取引に限らず、国税関係帳簿はすべて対象です。
エ:法令上、バックアップの義務はありません。
問24:事業継続マネジメントシステムに関する問題
JIS Q22301-2013 が要求事項を規定している対象はどれか。
イ 個人情報保護マネジメントシステム
ウ 事業継続マネジメントシステム
エ 情報セキュリティマネジメントシステム
解説:規格
ア:ITサービスマネジメントシステムはISO 20000で定められています。
イ:個人情報保護マネジメントシステムはJIS Q 15001で定められています。ISOに定められていません。
ウ:事業継続マネジメントシステムはISO 22301で定められていますので、正解です。
エ:情報セキュリティマネジメントシステムはISO 27001で定められています。
問25:セキュリティ設定に関する問題
メールサーバ(SMTPサーバ)の不正利用を防止するために、メールサーバにおいて行う設定はどれか。
イ 第三者中継を禁止する。
ウ ディレクトリに存在するファイル名の表示を禁止する。
エ 特定のディレクトリ以外でのCGIプログラム実行を禁止する。
解説
ア:DNSの不正対策として行われることがあります。
イ:SMTPの不正利用防止として第三者中継が行われることがあります。
ウ:HTMLファイルを格納した(web)サーバで不正防止としてファイル名の表示が禁止されることがあります。
エ:webサーバでの不正防止としてCGI実行を禁止することがあります。
おわり!
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