ITストラテジストの過去問を解く!令和元年度 秋期 午前2(問15〜問18)

ソフトウェア技術
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はじめに

ITストラテジスト試験の過去問を解いて勉強するエントリ第4弾です。

過去のエントリはこちら

IPAの過去問ページで原本を参照できます。

今日の問題

出典:令和元年度 秋期 ITストラテジスト試験(ST) 午前2 問15〜問18

問15

企業と大学の共同研究に関する記述として、適切なものはどれか。

ア 企業のニーズを受け入れて研究するための機関として、各大学にTLO(Technology Licensing Organization)が設置されている。
イ 共同研究で得られた成果を特許出願する場合、研究に参加した企業、大学などの法人を発明者とする。
ウ 共同研究に必要な経費を全て企業が負担した場合でも、実際の研究は大学の教職員と企業の研究者が対等の立場で行う。
エ 国立大学法人が共同研究を行う場合、その研究に必要な費用は全て国が負担しなければならない。

問16

WEBサイト上で実行されるスマートコントラクトの説明はどれか。

ア WEBサイト上の契約手続きにおいて、委託会社、弁護士などの第三者機関を介することを前提とした仕組みである。
イ アプリケーションサービスを実現するための基盤上に執行条件と契約内容を事前に定義しておき、条件に合致したイベントが発生すると自動執行する仕組みである。
ウ 契約手続きにおいて発生する決済を現実通貨でなく暗号資産によって実施する仕組みである。
エ 販売者と購入者が安全かつスマートに取引するためのものであり、インターネット通販だけを適用範囲とした仕組みである。

問17

インターネットにおける広告形態のうち、インプレッション保証型広告の説明はどれか。

ア あらかじめ決められたキーワードを利用者が検索エンジンに入力した際に表示される広告
イ 掲載した広告を見た利用者が、その広告をクリックした上で、掲載者の意図に沿った行動を起こした場合に、掲載料を支払う広告
ウ 契約した表示回数に達するまで掲載を続ける広告
エ ポータルサイトのトップページや特集ページなどに一定期間掲載する広告

問18

ECサイトが実施した3種類のバナー広告A〜Cについて、広告費用、バナー広告クリック数、各バナー広告からサイトにアクセスして商品を購入した人数は表のとおりである。コンバージョン率、顧客獲得単価(商品購入者数1人当たりの広告費用)の説明として正しいものはどれか。

バナー広告Aバナー広告Bバナー広告C
広告費用(円)150,000750,0001,000,000
バナー広告クリック数
(サイトアクセス数)(回)
300500600
商品購入者数(人)62530
ア バナー広告A〜Cのコンバージョン率は同一であるが、顧客獲得単価はバナー広告Aが最も安い。
イ バナー広告Aは、三つのバナー広告の中で、コンバージョン率が最も低く、顧客獲得単価は最も低い。
ウ バナー広告Bとバナー広告Cのコンバージョン率は同一であり、バナー広告Aとバナー広告Cの顧客獲得単価は同一である。
エ バナー広告Cは、三つのバナー広告の中で、顧客獲得単価は最が高く、コンバージョン率は最も低い。

今日の解説

問15:産学(産学官)共同研究に関する問題

正解は ウ です

文部科学省と経済産業省が産学官連携による共同研究強化のためのガイドラインを発行しています。

が、若干難しいので割愛します。

ア:TLOは共同研究を推進する組織ではなく、大学での研究成果を特許化・産業化(マネタイズ)する組織ですので、当てはまりません。

イ:特にガイドラインでは一律な定めはありません。
むしろガイドラインでは大学単独での特許権取得と知財マネジメント強化を促していますが

ウ:経費負担割合などに関する一律な定めはありません。消去法でウが残ります。
金出したほうが立場が上です、とか国のガイドラインに書かないし、まして国家資格試験の正解なわけが(ry

エ:大学と、必要に応じて企業で負担します。
10万円支給するのに何ヶ月も渋った国が研究費を出すわけないじゃない

問16:スマートコントラクトに関する問題

正解は イ です

スマートコントラクト(Smart Contract)とは、契約内容の履行を自動化することをさす概念で、次の4プロセスから成ります。

  • 契約内容を定義する
  • イベントが発生する
  • 契約内容を履行・執行する
  • 決済

スマートコントラクトは契約成立後には改ざんや更新ができないため、信頼性や透明性の点でメリットがあるとされる一方で、契約内容に不備があっても契約の無効化や訂正はできないという欠点があります。

スマートコントラクトの提唱者によると、自動販売機が実装のひとつであるとしています。

これを踏まえて選択肢を吟味します。

ア:スマートコントラクトには第三者の存在は定義されていませんので、当てはまりません。

イ:契約内容の定義、イベントの発生によって自動執行しているので、スマートコントラクトに当てはまります。

ウ:決済に用いるものは暗号資産に限定されないので、当てはまりません。スマートコントラクトの例によく挙がる自販機では通貨や電子マネー等によって決済をしています。

エ:インターネット通販に限定されるものではないので、当てはまりません。

1990年代に提唱されていましたが、仮想通貨(暗号資産)の送金機能に適用されたことで一気に注目されるようになりました。

問17:WEB広告に関する問題

正解は ウ です

WEB広告においてインプレッションとは、広告が表示された回数のことをさします。

つまりインプレッション保証型広告とは、広告主にとって表示回数が保証されている広告であることがわかります。

これを踏まえて選択肢を吟味します。

ア:検索連動型広告の説明です。リスティング広告とよばれることもあります。

イ:成果報酬型広告の説明です。

ウ:取り決めた表示回数まで掲載を継続するので、インプレッション保証型広告です。

エ:純広告の説明です。リアルの世界と同じように、ある場所にある一定期間広告を出すことができる仕組みです。

インプレッションとよく似た指標にPV(Page View)があります。
ただPVとインプレッションは一致するとは限りません。1ページに広告が複数個掲載されたページを1回表示したとき、PV数は1ですがインプレッションはそれ以上となります。

問18:WEB広告に関する問題

正解は イ です

WEB広告においてコンバージョンとは、そのサイトの目的・達成したい成果のことをさします。

例えばECサイトならユーザが商品が購入すること、販推サイトなら資料請求、アンケートサイトなら回答を得ることです。

よってコンバージョン率[%]は 商品購入者数(人) / 広告のクリック数(回) ✕ 100 で求めます。
同様に顧客獲得単価[円/人]は 広告費用(円) / 商品購入者数(人) で求めます。 

それぞれの広告について、コンバージョン率と顧客獲得単価は次の通り求めることができます。

コンバージョン率(%)顧客獲得単価(円)
バナー広告A225,000
バナー広告B530,000
バナー広告C533,333.333 …

このデータに当てはまる記述は選択肢イだけです。

今日はここまで !!

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