キータイプで選ぶ!自分にあったキーボード

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以前キーボード選びの基礎知識の記事を投稿しました。そこではキータイプについては軽く触れただけでした。この記事ではキータイプに特化した選び方をしてみます。

はじめに

キータイプは打鍵感覚と信頼性を決める要

キーを押し込んだときの感覚やその戻り具合のことを打鍵感覚と一般によびます。

キーボードを操作するとき、キーの下(内部)にあるキースイッチを押し込んでいます。そのため打鍵感感覚はキースイッチによって決まると言っても過言ではありません。キーボード選びはすなわちキータイプ選びとも言えます。

金融機関の一部業務ではキータイプが重視されることがあります。キーボードは機械装置である以上、故障があり得ます。故障による入力誤りを避けるべく、より信頼性の高い製品が求められるためです。

メンブレン

メンブレンが向いている人は
・PCを使う頻度が少ない
・予算が少なめ(数千円)

おそらく最も流通しているキータイプ

メンブレンキーボードは安価に製造できることから、おそらく最も流通してるキーボードです。デスクトップPCに標準で付属しているキーボードはたいていメンブレンキーボードです。

ゴム製部品でキーを押し戻す

キーの下(内部)には、ラバードームと呼ばれるゴム製の部品があります。ラバードームは押すとへこみ、離すとゴムの特性で元の形に戻る部品です。この力を利用して、押し込んだキーを元の位置に戻します。

ゴム製品ゆえにデメリットも

ラバードームはゴム製品です。そのため使い続けるうちに劣化し、徐々にキーストロークが浅くなり、キーによって深さが異なるようになります。

また新品状態でもキーの中央と端では打鍵感覚が異なります。これもやはりラバードームがゴム製品であるために、キー荷重が均等にならないためです。

パンタグラフ

パンタグラフが向いている人は
・キーボードを持ち運ぶ
・ストロークが浅いものが好み

薄型キーボードに向いたキータイプ

その名の通り、パンタグラフ状の部品がキー内部に設置されています。キーの端を支えることができ、メンブレンよりもキーがぐらつかずに安定します。

ストロークを浅くしてもキーの押し込みを検知できることから、薄型キーボードのキータイプとしてよく採用されます。

持ち運びしやすい

パンタグラフ型のキースイッチを採用したキーボードは薄型化できるため、持ち運びがしやすいです。またノートPC内臓のキーボードも今ではほとんどがパンタグラフです。

故障しやすいデメリットも

パンタグラフはプラスチック製の部品の組み合わせで製造されます。またその多くが可動部品です。そのために故障しやすいと言われています。ただ最近の製品は耐久性も向上し、それほど気にはならない水準に向上しています。

メカニカル

メカニカルが向いている人は
・キーボードを酷使する (エンジニア、ゲーマー、ライター etc…)
・打鍵感覚にこだわりがある

楽に高速タイプがしやすい

メカニカルはキーをバネの力で押し戻す機構が内蔵されたキータイプです。キーの押し込みを検知するスイッチがキー1個ずつに独立して搭載されています。

底打ちの必要がなく、小さな力でタイピングができます。高速タイプする人にとってはおおきなメリットです。

壊れにくい

メンブレンのようにゴム製品ではなく、金属製のバネ(スプリング)でキーを押し戻します。耐久性は高く長く使えます。メーカーによるとタイプ回数5000万回程度の動作寿命があるとしています。

打鍵感覚が豊富

かつては多数のメーカーがありましたが今ではごく少数となってしまいました。メカニカルキースイッチといえば、たいていはドイツCherryMX製のキースイッチのことをさします(デファクトスタンダード)。

メカニカルキーの特徴は、キー荷重や打鍵時のフィードバックにバリエーションがあるということです。主にキースイッチの軸の色から、黒軸、青軸、茶軸、赤軸などと区別されます。

なめらかでキー荷重が均一な黒軸・赤軸

黒軸と赤軸の特徴は、キーを押し込んでから底打ちに至るまでの荷重が一定であるということです。押し込む途中での引っかかりがなく、なめらかに動作する印象を受けます。

黒軸と赤軸の違いは、キー荷重です。公称値は黒軸が60g、赤軸が45gです。

ちなみに私は仕事では赤軸を採用したメカニカルキーボードを使っています。かなり軽いタッチで入力できるので、疲労感も軽減できていると思います。

途中でキー荷重が変化する茶軸

茶軸の特徴は、キーを押し込む途中で荷重が軽くなることです。

メカニカルキーの特徴として「底打ちが必要ない」ことがあります。つまりキーを押し込む途中で入力が検知できるということです。

茶軸は入力を検知できる深さまでキーを押し込むと、そこから先はキー荷重が軽くなります。ユーザは入力したことのフィードバックをキー荷重の変化から受け取ることができ、ミスタイプを低減した高速タイプをすることに向いていると言えます。

カチカチ音フィードバックがある青軸

青軸の特徴は、キーを押し込む途中でカチッという音がすることです。

茶軸はキー荷重の変化で入力が検知できたことをキー荷重の変化でフィードバックします。青軸は意図的に音を発生させるので、より強いフィードバックを得られます。

ただしカチカチ音を発生させるために金属製のバネ以外にも部品が入っており、他の色の軸よりも高速入力には向かないとされています。また、職場で使うと音がうるさいと苦情をいわれるかもしれません。

たいてい高価

数千円で購入できるメンブレンやパンタグラフに比べると非常に高価です。安くても1万円は超えると思ったほうがよいでしょう。ハイエンドモデルになると3万円を超えることもあります。

静電容量無接点方式

静電容量方式が向いている人は
・一生モノのキーボードを使いたい
・予算に余裕がある(4万円以上)

半永久的に使える

メンブレン、パンタグラフ、メカニカルは物理的に電気回路に接触をしていました。しかし静電容量無接点方式では、その名の通り物理的な接点をもちません。

電気回路に物理的接触が発生しないことで、部品の消耗や故障が少なく、耐久性が高くなっています。

入力時の誤作動(チャタリング)が起きない

チャタリングとは1回のキー押し込みで複数回のキー入力が起きる事象のことです。この事象の原因は物理的な電気回路が摩耗することで発生します。

静電容量無接点方式ではキー入力を検出する回路に物理的な接触をしないため、チャタリングは起きません。起きにくいのではなく起きません

余談ですが、このようなキーは金融機関の一部業務やATMの数字キーでニーズがあります。10000と入力するところを意図せず100000と入力してしまうリスクを排除できるためです。

メカニカル以上に高価

この方式のキーボードは底打ちの必要もないため、疲労感も少なくタイピング作業にも向いています。

しかし電気回路に物理的な接触をしないという特殊な構造上、メカニカル以上に高価な製品です。

購買層もメーカーも限られており、市場原理による価格競争は期待できないというのが唯一のデメリットと言えます。

まとめ

  • あまり使わない : メンブレン
  • 持ち運ぶ    : パンタグラフ
  • よく使う    : メカニカル
  • 一生モノ    : 静電容量無接点方式

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